急に涼しくなり、体調を崩したという人もいるだろう。指ヨガ、ツボ押しという、東洋医学の力でこの季節の変わり目の不調を整えよう。よく眠れて、便秘も解消。すっきりした身体で、秋を楽しめるはずだ。
「ヨガは自分のからだや心を通して自然界の摂理や真理、宇宙全体の法則を学ぶための方法。決して健康法ではありません。ただ、もし興味を持っていただいたのなら、からだや心の不調を正すために指ヨガを体験していただくのがいいかと思います」
と、龍村修さん。指ヨガはいつでも、どこでも、すぐできるヨガとして龍村さんが考案したものだ。
「指ヨガは東洋医学の身体観である『部分即全体』にも即しており、指と手だけで、全身を使ったヨガと同じような効果を得ることができるのです」
その指ヨガの中から、「不眠解消」メソッドを教えてもらった。これはまず「浄化呼吸法」という、簡単な呼吸法を覚えてから行う。
「鼻からゆっくり息を吸い、息をとめてため込んでください。このとき、全身の細胞がイキイキ元気になることをイメージします。そしてシューッと音をたてながら、3回に分けて息を吐きます。簡単でしょう?」
ヨガでは呼吸=生命の形と考えられている。息を吐くことは、自分の心身にとって不適なものや、毒になるものを排泄する力となる。また、息を吸うことはリフレッシュすることであり、代謝力を高めることにつながる。呼吸によって「気」がコントロールされるのだ。
「指ヨガの場合は、基本的には息を吐きながら施術します。息を吐きながら手に刺激を与え、息を吸いながらゆるめるを繰り返す。これによって、全身の意識と呼吸が同調し、より効果的で無駄のない息ができるのです」
基本の呼吸法を覚えたところで、「不眠解消」メソッドへ。
「寝る前に、自分が心地よく感じる程度の力で行ってください。まずリラックスした姿勢で手のひらをゆっくりと結んだり開いたりします。そのあと、ゆっくりハーッと口から息を吐きながら、小指までの4本の指をグーッと反るところまで反らせます。そして同じようにゆっくり息を吐きながら、親指も反るところまで反らせます。最後に息を吐きながら、手をブラブラ前後左右に振って終了です」
これは、脳の緊張をほぐすために行う。
「それゆえに、あまり強い力で指を反らせたりしないでください。ゆるやかな力で結構です。何回くらいやるのがよいのかという質問をよく受けるのですが、別に回数は決まっていません。左右2回ずつくらいでも十分ですよ。意識的にゆっくりと長い呼吸をすると、深い呼吸になり、自律神経が安定し、心身がリラックスしてくるのを感じることができると思います。そして指をゆっくりと反らせて。身体全体の血流がよくなり、良質な睡眠をとることができると思います。忙しい時期こそ少し時間をとって、ぜひ挑戦してみてください」
続けて今度は、便秘解消のツボを指南していただこう。レクチャーしてくれるのは、目白鍼灸院の柳本真弓さんだ。