腰のあたりで指を組み、腕を真下に向かってキューッと伸ばして6秒キープ。これを10回繰り返す。

「椅子に背もたれがある場合は、もたれてしまったほうがラクです。そしてキューッ。これだけで、背で前に出ていた肩は下がり、外に開いていた肩甲骨は内側に寄り、腰も反って骨盤は前に傾きます。この運動を続けるだけでも姿勢はきれいになります。そして今まで猫背のためにきちんと使われていなかったおなかの筋肉が、立っているときも仕事をしているときも働くようになるので、ぽっこりおなかはどんどん改善されていくはずです」

 まずは2週間続けてみる。途中で身体が気持ちよく動くようになってきたのを感じられたら、よい兆しだ。そして50代以降は、体幹のリセットだけでなく、筋肉量の減少とたたかうことも大切だ。

「筋肉量の減少は老化現象のひとつ。30代なら年間約250グラム、40代なら年間約450グラム減少します。50代以降はそれがより進みます。筋肉量を増やし基礎代謝を上げるには、良質のたんぱく質を毎食とることです」

 1日に必要なたんぱく質の量は、体重1キロにつき1.5グラムと覚える。体重50キロの人なら、たんぱく質は1日75グラムとる必要がある。1日3食なら、1食につき、25グラム必要だ。

「一番のおすすめは、牛肉のモモですね。もともとの脂肪が少ないですから、これをステーキにするとか、あるいはゆでてシンプルな味付けで食べること。150グラムで約30グラムのたんぱく質が摂取できるんですよ」

 そして朝食は朝起きてから30分以内に食べるよう心がける。なぜか?

「朝起きて立ち上がって活動を開始した時点で、血糖値は下がり始めます。そうするとその下がった血糖値を上げるために、身体は今持っている筋肉を分解して糖に変え始めます。この『糖新生』が始まると筋肉量は落ち、基礎代謝が下がってしまいます。しかも昼ごろまで何も食べないでいると、次に食事をしたときに血糖値が一気に上がって身体に脂肪がたまります。プヨプヨたるみボディーと縁を切るためには、起床後30分以内の朝食も不可欠なのです」(ライター・赤根千鶴子)

週刊朝日 2017年9月29日号

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