松原:ポスト安倍を見据えて、小池さんは目の前にチャンスが来れば、もう一度仕掛けると思います。安倍政権は今、苦しい。加計学園に関して新たな文書がまた出ました。萩生田(光一官房副長官)さんが加計学園を指定していると疑わせるもので、アウトなんじゃないかな。審査プロセスが公正かどうかが問われている事件ですからね。

御厨:今回、出てきたものだけ見てわかるのは、もうズブズブの関係だったってことですよね。

松原:李下に冠を正さずという発想がない。

御厨:政権内では一連の文科省の対応を見てイライラしてる人ばかりでしょう。

松原:文科省が獣医師を増やさないのは経済的規制です。文科省も岩盤規制という批判に対し、まともに反論できていない。官邸にも可能な限り公正に選考するというモラルが希薄で双方がダメダメの戦いになっています。

御厨:基本的には山本幸三・地方創生担当相に引き取らせてるから、多分、山本さんは引責の意味も含め次回の内閣改造の時に外れる筋書きだと思います。官僚の上に立ってる大臣としては、しめしをつけないといけないのです。しかし今回、山本さんが全部引き取ったのは、きっと上(官邸)から言われたからでしょう。「全部持っていけ」と。

松原:でも、発言したとする文書に実名が書かれているのは萩生田さん。相当、苦しいんじゃないですか。

御厨:本当に言ってしまっているとしたらやばいでしょう。でも、おそらく内閣改造で解決する。萩生田さんは交代する可能性が高いんじゃないですか。そして今国会でまずかった人は大臣を含めみな交代する。ただ今の官邸、身体検査する力もあんまりなくなってるでしょ。杉田和博官房副長官、和泉洋人首相補佐官も場合によっては今回で辞めるでしょう。そうしたら、官房長官は嫌でも留任せざるをえない。下が全部なくなるばかりか、上までなくなったら総崩れだから。

週刊朝日  2017年7月7日号より抜粋

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