――素顔での会見を決意した理由は。

「被害者に対する世間のタブー視を壊していかないと、苦しむ人が出てくる。このまま私が黙っていたら変えるチャンスがないと思った。家族にも反対されたし、私としても出て行くことは避けたかったが、性被害者を隠すことがタブーにつながる。会見したことで『売名行為』だともネットで書き込まれたが、私の人生を考えても話をすることは何の得にもなりませんよね。できることはすべてしたと思っているので、自分の仕事に戻ろうと考えている」

 警視庁広報課は取材に対し「指摘の事案については、法と証拠に基づき必要な捜査を遂げた上で証拠及び証拠物を東京地方検察庁へ送付している」としている。

 山口敬之氏は次のような見解を示している。

〈私は法に触れる事を一切していません。ですから警察・検察の1年以上にわたる調査の結果不起訴となりました。よって私は容疑者でも被疑者でもありません。他方、不起訴処分の当事者には不服申し立ての機会が与えられていますから、申し立てが行われたのであればこれについても私は今まで通り誠心誠意対応します。検察審査会など社会制度上の判断や手続きを尊重するため、本件の内容に関する個別の質問にはお答えしていません。また、当該女性が会見などで強調している論点は全て、警察・検察の調査段階で慎重に検討され、その結果不起訴処分が出ました。係争中の案件について片方の主張を一方的に取り上げ、容疑者でも被疑者でもない私を犯罪者扱いするような報道や発信に対しては、しっかりとした措置をとる所存です〉

※週刊朝日オンライン限定記事

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