「高輪署の方に話をしたが、『人の見えないところで行われる犯罪なので難しい』と言われた。ホテルなので防犯カメラがあるはずで確認してくださいとお願いして、一緒に見に行った。私の身体に力が入っていない状況でタクシーから降ろされて、身体が曲がっている状況でロビーを横切る姿が確認できた。そこで初めて事件性があるものだと認識してくれた」
「しかしすぐに進んだわけではなく、『被害届を出してしまうと君の経歴に傷がつく。同じ業界で働きたいのだったらやめたほうがいい』と言われた。『何時何分にホテルから出たか』と問われ、答えに詰まると、『そのくらい言えないと捜査できるわけないだろう』とも言われた。どうしてそういう対応になったのか後で聞くと、その警察官の方は『自分も検事に、起訴も出来ないのにやれるわけないだろうと怒られる。自分も苦しい。被害者と検事の板挟みになっている』と語ってくれた」
「殺人ならば、血がどんどん出ていれば、すぐに対応してもらえた。しかし、レイプは内側の傷なので見た目では分からない。警察では『被害者は泣いてくれたり怒ってくれたりしないと分からない』と言われた。自分はこういう仕事もしているので、感情を切り離して淡々と答えていた」