鳥山居の「至福のうずら」と「ぼんじり」/半熟のうずらは3カ月以上試行錯誤を重ねた。比内地鶏を中心に、伊達鶏や甲州頬落鶏を1羽まるごと直接仕入れているため、刺し身も楽しめる。手前から、至福のうずら380円、ぼんじり(仕入れのある日のみ)450円、特別に卸してもらう茨城のゆば入りこんにゃく700円、グラスワイン700円。料理は2日に一度、お酒は5日に一度、おすすめメニューが変わる(撮影/写真部・東川哲也)
鳥山居の「至福のうずら」と「ぼんじり」/半熟のうずらは3カ月以上試行錯誤を重ねた。比内地鶏を中心に、伊達鶏や甲州頬落鶏を1羽まるごと直接仕入れているため、刺し身も楽しめる。手前から、至福のうずら380円、ぼんじり(仕入れのある日のみ)450円、特別に卸してもらう茨城のゆば入りこんにゃく700円、グラスワイン700円。料理は2日に一度、お酒は5日に一度、おすすめメニューが変わる(撮影/写真部・東川哲也)
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 著名人がその人生において最も記憶に残る食を紹介する連載「人生の晩餐」。今回、作家・江國香織さんが選んだのは鳥山居の「至福のうずら」と「ぼんじり」だ。

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 この店のうずらの卵は、その名の通り、至福! やわらかな白身に歯を立てると、レアの黄身がとろっと口に広がります。それがもう、食べたことのない味わいで。それに、うずらの卵って、鶏卵より栄養価が高くて、健康にもいいんですって。うれしいですよね(笑)。

 もうひとつ、必ず頼むのが、ぼんじり。お皿に脂が滴るほどなのに、ちっとも重くない。皮のパリパリ感が絶妙な焼き加減で、肉はやわらかいのに歯ごたえもしっかりあって。週末限定で、グラスシャンパンがメニューに加わるのですが、それがまた夢のように合うんです。

 焼き鳥のお店なのに、お魚や野菜もおいしい。カルパッチョや籠盛り生野菜、焼いたレンコンなど、素材も厳選しているのだろうけれど、下ごしらえがきちんとしているなと感じます。

 品数が豊富だから、連続で訪れても飽きることがありません。仕事が忙しいときは、月に2回来たことも。道でたまたま見かけて入ってから、10年以上通っている、大切なお店です。

【鳥山居】東京都世田谷区代沢3-14-4 COM’S DAIZAWA 東棟2階/営業時間:平日17:30~25:00(23:30料理L.O.)、土17:00~25:00(23:30料理L.O.)、日17:00~23:00(22:00料理L.O.)定休日:なし

週刊朝日  2017年4月14日号

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