歌舞伎関係者は異変を振り返る。

「中車さんの奥さんの姿を全く見ないよねという話は、奥さま方の間でちらほらありました。妻の役目として、夫の舞台中は劇場のロビーに立ってあいさつするのは当然だし、特に初日は皆さん必ず立ちます。ここ数年見ませんでした」

 香川は、父・猿翁との和解をきっかけに、46歳で、歌舞伎界としては異例の遅い入門を果たした。妻には内助の功が求められ、入門は香川だけの問題にとどまらない。離婚カウンセラーの岡野あつこ氏は指摘する。

「俳優の仕事も順調で、このままでいいものを、自分や子供の人生まで変えてしまった。仕事一筋で、デキる男性は奥さんに相談せず、良かれと決めてしまいがち。身勝手さを奥さんは許せなかったのでしょう」

 仮面夫婦という生活はありえなかったのか。岡野氏は推測する。

「梨園の妻は相当大変なはず。その覚悟を持って歌舞伎役者と結婚したならまだしも、途中からです。そんなつもりで結婚したわけではないと、耐えられなかったのでは。きっと奥さんはなんらかのメッセージを発していたはずですが……」

 長男の親権が香川側という報道が出ていることにも、不思議がる。

「兄妹を引き離すのは考えにくい。普通なら奥さんは親権を手放さない。だから、よっぽど離婚したかったんだと。三くだり半ってことではないでしょうか」

週刊朝日 2016年12月30日号