長く続いたバンドが解散し、何年後かに再結成するのはよくある話。でも17年続いたバンドから、中心メンバーが脱退し、新たなメンバーを加え再始動することは珍しい。兄弟二人でスタートしたキリンジが、6人編成になって4度目の秋が来た。
「新しいアルバムのタイトルである『ネオ』には、“かつてよりあったものが刷新される”という意味があります。一つ前のアルバムは、全部僕が曲を書いていたんですが、今回は、コトリンゴさんと千ケ崎学くんが書いた曲が収録されているし、女性メンバーが歌う曲もある。6人のKIRINJIとしてのファーストアルバムのつもりで作りました」
と語るのは、リーダーの堀込高樹さんだ。バンドを新しく編成する際、男女混合のグループがいいと思い、それまで面識のなかったコトリンゴさんと、一度だけ仕事をしたことがあった弓木英梨乃さんに声をかけた。男性陣は、兄弟ユニット時代からのサポートメンバーだったので、もともと気心は知れていた。
「今回は、堀込さんから、メンバー全員に『曲を作って提出する』という課題が出たんですが、『私の曲ではこのバンドには子供っぽいんじゃ……』と思って、最初は出し渋っていました。でも、一番若い弓木さんが力作を2曲提出したので、『最後に残りたくない!』と(苦笑)」
まさに小鳥の鳴き声のような澄んだ声で、コトリンゴさんが言う。ドラムスの楠均さんの曲も、最後まで候補として残ったが、「斬新すぎる」という理由で今回は見送りに。