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 9月17日発売の「週刊少年ジャンプ」で40年におよぶ連載に終止符を打つ、人気漫画「こちら葛飾区亀有公園前派出所」。連載40周年を祝う場で作者の秋本治氏から告げられた突然の両さんとのお別れは、大きな話題を集めた。

 1976年9月の連載開始以来、一度も休載なし。単行本は200巻で完結となる予定で、〈40年、200巻〉という区切りのいいところで終わらせたかったと理由を述べていた。

「寂しいのとうらやましいのと。不思議な気持ちです」

 と複雑な心境を語るのは、「ゴルゴ13」の作者、さいとう・たかをさんだ。ゴルゴの連載開始は68年と、こち亀よりさらに古い(単行本は182巻まで)。「どちらが長く続くか」と楽しみながら双方の作品を読み続けていたコミックファンは多い。実は、さいとう氏もこち亀を一作品としておもしろく読んでいたという。

ドラマを主体としたわれわれの作品とはまた違い、作者の感性を生かし、笑わせてくれる作品を長い間続けるのはすごいことだと、常々感心していました」

 秋本氏は、過去のインタビューでさいとう氏に憧れて漫画家になったと語ったこともある。2006年にはゴルゴとのコラボも実現しているが、星逃田やボルボ西郷といった、さいとう作品を彷彿とさせるキャラがこち亀には初期からたびたび登場していた。さいとう氏は言う。

「まだ面識がないころに、編集の方を通してお断りを入れてこられたことを覚えています。作品を見て笑ってしまいました。私のキャラクターの特徴をうまくオーバーにして笑わせるのは、さすがだと思いました」

 こち亀終了のニュースを聞いてコミックファンがまっさきに心配したのは、ゴルゴの行く末。さいとう氏は今回、本誌の取材に対し、「まだまだ続く予定」だと断言してくれた。

「これだけ連載を長く続けると、もう作品自体が作者よりも読者のものであり、雑誌のものでもあります。読者が受け入れてくれて、本に載せてもらえる限り、がんばろうと思います」(さいとう氏)

 一方で両さんより一足早く、14年2月に完結した漫画「あさりちゃん」の作者、室山まゆみさんは、こんなふうに見ていた。

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