林:大手の事務所に入らずにこのポジションを築いたって、すごいですね。いま番組を拝見していると、スーツ着てニコニコ笑ってる印象がありますよ。そんなにツッコむわけでもなく、とても感じよく。
ヒロミ:昔は「ゴールを決めるのは自分だ」という感じでしたけど、いまは後ろにひいて全体がうまくいくように気を配るという感じですね。
林:昔より自然体でいられるんですね。
ヒロミ:年齢もあると思うんですけど、昔ほどガチャガチャ言わなくてもいいかなみたいな。
林:今の若い人たちは、時間のとり合いという感じで大変ですよね。
ヒロミ:いま、若い子でもちゃんとしたこと言わないといけないという雰囲気があるじゃないですか。たとえば、昔ちょっとやんちゃしたとかいう話も、今は言いづらいですよね。テレビに出る人は正しくなければならないというか。
林:しかも、おもしろくなきゃいけないし。
ヒロミ:そんなこと、あり得ないじゃないですか。僕が若いころはもっと好き勝手言えたので、それはちょっと可哀想だなと思います。
林:ヒロミさんの少し前には、有吉(弘行)さんや坂上忍さんの「再ブレーク」がありましたけど、やっぱり持っている人はちゃんと出てくるんだなと思いましたよ。
ヒロミ:テレビ見ながら、「ああ、こうやってまた出てくるんだ。よかったな」と思っていました。
林:まさかご自分もその一人になるとは。
ヒロミ:彼らが出てきてくれたおかげで、誰かが俺のことも思い出してくれたのかなと思いますね。
林:自分が出ない間、テレビを見て、焦ったりうらやましくなったりというのは、なかったんですか。
ヒロミ:なかったですね。「もっとおもしろいことやればいいのに」とか思うことはありましたけど、それはふつうの視聴者と同じような感覚で。若いのが出てきて悔しいとか自分も出たいとか、一切なかったです。
※週刊朝日 2016年9月9日号より抜粋