街を歩けば、歩きスマホの人にぶつかる。それくらい、ポケモンGOに夢中な人が増えた。ゲームでポケモンを追いかける人もいれば、プレーヤーめあてに商機を探る人もいる。ポケモンが生み出す経済効果「ポケノミクス」は、一体いつまで続くのか。
ITジャーナリストの三上洋氏はこう評価する。ポケモンGOの特徴は家に閉じこもるのでなく、外出して遊ぶこと。「この1週間で、少なくとも数百万人が外を歩き回りました。外出先のカフェで休憩や食事の機会も生まれ、夏休み中の経済効果は数千億円とも言われています」という。
一方で、思わぬ余波も。人気アイドルグループ「℃-ute」のメンバーの岡井千聖は、7月25日のブログでこうつづった。
<千聖の家の下に 沢山人がいて何かと思ったら 家の下が、ポケモンgo!のジムになってる。。。>
自宅付近が、ゲーム中にポケモンを戦わせる「ジム」となったようだ。思わぬかたちで、アイドルの自宅バレの危機となった。
出雲大社(島根県)や原爆ドーム(広島県)など、ゲームにそぐわない場所で夢中になる人も増えた。施設側がゲームを禁止したり、ポケストップなどの削除を求める動きも広がっている。
各地で物議を醸しているポケストップやジムは、どのように選ばれているのか。
これらの場所は、開発会社のナイアンティックが2013年に出したゲーム「イングレス」のデータを流用している。スマホの位置情報を使い、街を実際に歩きながら陣取りするゲームで、ポケモンGOの兄貴分のような存在だ。
イングレスでは、全国の名所旧跡、銅像など街のオブジェ、公園の遊具などをプレーヤーが登録できた。前出の三上氏は「プレーヤーはスポットの写真や名前を自由に指定できました」と説明する。このため、自民党本部が「永遠の与党」となるなど、首をかしげる表示も生まれた。ポケモンGOの人気で、イングレス時代の隠れたお遊びが、世間に知れ渡ったようだ。