かつては、悪いことをして先生に「立ってなさい!」と言われるのは、お約束の“罰”だった。だが、いまやそれは“ご褒美”かもしれない──。
「気分変わるよね」。昨秋の本社移転を機に楽天の三木谷浩史社長が全面導入したのは“立ち仕事”もできる上下昇降デスク。すでに国内外で1万2千台を取り入れた。
昇降式は北欧で普及し、最近はドイツや米国でも増加。オフィス設計の清和ビジネスによると、同社の国内販売も前月比1割超増の勢い。アパレル系や外資系生保などが千台規模で導入し始めている。
さて効果はどうか。楽天の高橋朋之さんは「多い時は3割ほどが立ち仕事です」。アンケートした社員111人中、会話の改善を実感した社員は73人、健康面の改善も80人が感じたとの結果が出た。海原純子医師も「米国では、座り続けるだけで鬱病リスクがあるとの研究結果もある。立ち仕事もできれば効果的」と太鼓判。職場も世知辛い今日この頃、いっそ立って仕事をしたらいいのかも。
※週刊朝日 2016年7月22日号