連立離脱後、凋落(ちょうらく)著しく、今回も2議席の獲得は困難と予想されていた。比例区で当選できたのは1議席。現党首と前党首、党内に大きな敵がいるような状況でもあった。

「初めての地べた選挙をやったんです」

 と福島氏。

 ピンクのジャケットに身を包み、汗だくでダッシュしてはチラシを配り、握手する。訴えるその声は、ガラガラに。

 風前のともしびである党をなんとか救った福島氏だが、党初代党首の村山富市氏は、開票日を前にこう語っていた。

「日常の活動を国民の中に浸透させるには、やっぱり数ですからね。なんといってもこの数では弱い。そういう意味では従来の社民党とはだいぶ違います。各地区では一生懸命がんばってくれているとは思うのですが、厳しい戦況ですね」

「安倍総理の天敵」を自称する福島氏。天敵も少数では、ドン・キホーテにすら及ばないかもしれないが……。(本誌・吉﨑洋夫、牧野めぐみ、永井貴子、上田耕司、太田サトル、小泉耕平、松岡かすみ、秦 正理、鳴澤 大/今西憲之、松元千枝)

週刊朝日 2016年7月22日号