共産党の志位和夫委員長(右) (c)朝日新聞社
共産党の志位和夫委員長(右) (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 選挙のたびに議席を伸ばしてきている共産党は、今回の参院選で3議席増の6議席。微増に終わったためか、志位和夫委員長は「重要な前進」と語ったものの、満面の笑みとはいかなかった。

「中間発表がよかったからか、報道陣は多く集まったが、フタを開ければ躍進とまではいかずガッカリ感があります」(党職員)

 ただ、今回の共産党陣営には、変化の兆しがあった。

 7月8日のJR浦和駅前での共産党候補の演説会では、不破哲三前議長(86)が応援に駆け付けたSEALDsの奥田愛基氏(24)と“共演”。この一件が象徴するように、共産党は市民運動と急接近した。次点で敗れたが善戦した神奈川選挙区の浅賀由香氏の陣営には、約200人の市民が勝手連として参加。多くは初めて選挙にかかわる人だったという。

 中心メンバーの男性がこう語る。

「昨夏の安保国会からSEALDsやママの会にかかわるようになった人も多数参加している。デザインや広告が本職の人もいて、プロの技で洗練されたチラシや動画づくりに協力した。『不破さんも街頭演説に呼んで』と党側に頼み、実現した。共産党の組織力と相性のよい組み合わせになっている」

次のページ