「ローマ生まれ、ローマ育ちの弁護士。ラジオのディレクターをしている夫とは別居し、市郊外で息子と暮らしています」(前出ジャーナリスト)

 息子を出産後、ベビーカーに危険な歩道のない道路、荒れ放題の公園などローマ市の窮状を痛感。市政改革を目指して2011年、市民政党「五つ星運動」に参加し、13年には市議会議員に当選した。わずか3年の市議経験を経て、首都ローマの首長に躍り出たのだ。

 ローマでは、昨年秋に民主党の前市長が公費流用疑惑で辞任したばかり。「セコい使い込みの手法は、まるでローマ版舛添でした」(同)

 市当局とマフィアとの癒着も暴露され、市民の政治不信が頂点に達した。ラッジ氏の経験不足は逆に、「しがらみや癒着のなさ」と好意的に受け止められたという。

「民主党は35歳の行政改革担当大臣、マリアンナ・マディーア氏を広告塔に政策をアピール。今後は、民主党のマディーア大臣と五つ星のラッジ市長のガールズ対決が見られるでしょうね」(同)

 美しさだけではない、新進気鋭の政治家に注目だ。

週刊朝日  2016年7月8日号

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