平成の「八つ墓村事件」の真相は、暴かれるのか。
2013年7月に山口県周南市の集落で5人が殺害され、2軒の家屋が放火された事件で、殺人と非現住建造物等放火の罪に問われた保見光成(ほみこうせい)被告(65)の初公判が6月25日に開かれた。
保見被告は罪状認否で「被害者の足は殴ったが頭は殴っていない。火もつけていない」「無実だと思います」などと述べ、殺人、放火いずれも無罪を主張。検察側と全面的に争う姿勢を示した。公判中になぜかニヤニヤと笑みを浮かべる場面もあった。
ヒートアップしたのは、証人尋問だ。証言台に立ったのは山口県警の現職警察官。証拠品についての質問が終わり公判終了かと思った時、検察官が「公判の合間に、保見被告から何事か声をかけられたのか?」と聞くと、警官は、
「威迫だと感じた」
と証言したのだ。つまり、保見被告が法廷で現職警官を“脅した”という。保見被告の弁護人は、
「保見さんの独り言を現職警官が勘違いしたのではないか。威迫の意図はない」
と否定したものの、法廷は異様な空気に包まれた。