堀江貴文氏は、日本のガラパゴス的な商品やサービスは世界で通用するとこう語る。
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ここ最近、メイド・イン・ジャパンの家電製品ではなく、美容・健康関連の商品がベトナムで大人気になって売れているという。
すでに家電や自動車・バイクなどは中国や韓国製品も広く流通していて、品質もそれなりになってきたことから、かつてのようなメイド・イン・ジャパン製品の勢いはない。
だが、ドラッグストアに置いてあるような商品は男女ともにいまだに大人気。ベトナムでもメイド・イン・ジャパンの美容・健康商品ブームが起きているらしいのだ。
日本はきめ細かなマーケティングを徹底的に行い、商品はものすごく種類が豊富で、競争も激しいので比較的良質の製品が手に入る。最初は日本人がベトナムに持ち込んでいたものの、最近はベトナム人自身が大量に日本で買い付けて持ち帰っているらしい。
日本語が読めないのに、なんとなく、メイド・イン・ジャパンというブランドだけでありがたがって使っている人も多いらしい。
そんな中、エアラインの従業員が手荷物枠を使って盗品を扱っているという事件も発生しているらしい。それくらい過熱しているブームだということだろう。これから日本企業がその分野でもベトナムに進出していくのか、あるいはベトナム企業が日本製品をどんどん国内に持ち込み商売していくのか、これから美容・健康用品ビジネスはベトナムに限らず東南アジア地域で拡大していくのは間違いない。
そういう意味では美容・健康分野以外でも日本のガラパゴス的な先進性は他国で受け入れられる余地はまだまだあるだろう。すでに日本食は世界に羽ばたきつつある。ラーメンはここ10年くらいで、すっかり日本企業が多数世界に進出しつつある。
最近も博多一風堂がクールジャパン機構から大規模資金提供を受けてヨーロッパなどに大規模出店することが決まったらしい。日本のラーメン文化は異様なまでに発展している。
他の日本食も寿司や天ぷらなどを代表に驚くほどの味のレベルを誇っている。魚介類の流通は漁師のレベルまで徹底してコピーしないと海外進出は難しいし、フルーツなどもかなり品種改良のレベルが高いのだが、なかなか海外移転は難しい。それでも日本食は世界へたくましく進出していっているのである。
日本食関係で言えば、陶器や漆器の食器群もガラパゴス的な発展をしている分野だろう。日本ほど食器のバラエティーを抱えている国はないだろう。古くからある分野にもかかわらず世界に驚くほど展開していない、ビジネスチャンスである。
日本旅館なんかもホスピタリティやオペレーションも含めて期待される分野だ。和室や日本庭園、温泉に加えて一人がマルチオペレーションをできるような体制になっている。星野リゾートがそのオペレーションを世界に展開しつつある。日本人自身があまり気づいていないところが面白い。
世界の人々は虎視眈々と機会を狙っているのである。
※週刊朝日 2014年12月26日号