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 覚えておいてソンはない。まさに、門脇麦は“今後の飛躍が期待される若手俳優の一人”。今年3月に公開された、都内の一室で行われる乱交パーティーを舞台にした映画「愛の渦」では、“地味で真面目そうな容姿ながら、誰よりも性欲が強い女子大生”役に挑み、その演技が高く評価された。

「18歳でこの世界に入って、『愛の渦』も含めて、いくつもオーディションを受けてきましたけど、ずっと、“自分の力で役をつかみ取る”ってことに、やりがいを感じてきました。元々が負けず嫌いなんです。ただ、お芝居の世界では、自分が何も知らないふがいなさを、腹の底から思い知りましたけど……」

 4歳からクラシックバレエを習い、小学生のときは、「プロになれる」と信じて疑わなかった。ところが中学2年生になると、実力の限界や、プロの世界の厳しさを肌で感じるようになり、幼い頃からの夢を諦めるという、人生初の挫折を味わうことに。

「ただ、漠然とですけど“表現職に就きたい”という思いは捨て切れなかったんです。それで、バレエのほかに夢中になれるものはないかと探して、高校生のときに、ジャズダンスとかヒップホップとか歌とか、いろいろ習いました。ちょうどその頃から、単館の映画館なんかにも足を運ぶようになって。“映画に出たい”って夢が生まれたんです」

 ずっとプロのバレエダンサーを夢見て精進してきたせいか、目標に向かって積極的に動いていくことが、彼女の“日常”になっていたのかもしれない。次の目標を定めると、所属する俳優を募集している事務所を自分で調べ、履歴書を送った。

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