
日経平均株価は昨年の5月からの1年間で9割近く上がった。この間、英国の運用会社で投資信託「フィデリティ・日本・アジア成長株投信」の運用責任者を務めるデイル・ニコルス氏(45)は、運用する投資信託に大きな利益をもたらした。銘柄選びの際には大事なことがあるという。
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それが、買いのタイミングです。いいニュースが出たときではなく、悪いニュースが減って、「思ったほど悪くない」と気づいたときがそうです。
銘柄が有名ではなくなるほど情報が少なくなり、株価が実態とかけ離れやすくなります。わたしが、「投資家がちゃんと評価していない」と思うのはロート製薬です。アジアに加えて、国内でも低価格の化粧品でいい実績を出しています。
悪いニュースが減ってきたのは、「不動産」と「消費者金融」でしょう。
地価低迷の局面では不動産は悪い資産でしたが、これから改善して空室率は下がり、家賃は上がるでしょう。不動産事業に対する懸念で株価が抑えられていたオリックスは注目ですね。
消費者金融では過払い問題が終わりつつあり、経営破綻などもあって競争相手も減りました。何年間も批判されてきたので、株価は安いままです。クレジットカード事業が上手なイオンフィナンシャルサービスはまだ伸びるでしょう。
※週刊朝日 2013年12月20日号