お父さんはホッと胸をなで下ろしたことだろう。石原慎太郎・日本維新の会代表の三男で、自民元職の宏高氏(48、東京3区)は、民主前職の松原仁氏(56)との大接戦を約2千票差でしのいだ。
この親子に限らず自民党では、大物議員“ジュニア”たちが軒並み圧勝した。
福田康夫元首相の長男の達夫氏(45、群馬4区)、武部勤元幹事長の長男の新氏(42、北海道12区)などだ。もはや党の顔となった小泉純一郎元首相のジュニア、進次郎氏(31、神奈川11区)は、「過去の自民党に戻るのではなく、新党以上に新党のような自民党をつくらないと意味がない」と当確を早々に決め、余裕のコメントを口にした。
ただ確認しておくと、自民党は2009年の衆院選マニフェストで「世襲禁止」を掲げていた。武部勤氏などは、当時の旗振り役である。
同じように世襲反対を主張していた中川秀直元幹事長の愛息、俊直氏(42、広島4区)も、父の地盤から出馬。選挙ではひたすら“世襲色”を消す戦略をとり、民主候補を3万8千票以上離し快勝した。
「父親の秀直さんは、演説会など表立ったところには出ない。俊直氏も世襲批判をしそうなメディアの取材は一切シャットアウトですよ」(地元の市議)
※週刊朝日 2012年12月28日号