史上最悪の金権選挙ともいわれた接戦の末、オバマ大統領(51)の再選に全米が沸いた11月7日、遠く日本の夜の街、ご存じ“ゲイの楽園”新宿2丁目も熱気に満ちていた。
「やっぱりゲイに理解のある人が、大統領でいてくれるのは、うれしいことよねぇ」
そう話すのは、2丁目でバー「アルバキアラ」を経営する桜井均さん(61)だ。
これまでも、同性愛者が軍務に就くことを禁じた規定を撤廃するなど、同性愛への理解を示してきたオバマ氏だが、“2丁目”の方々から、揺るぎない「支持」を受ける大きなきっかけになったのは、今年5月に放送された米国のテレビインタビューだったという。
「結婚は、多くの人にとって非常に強い伝統的、宗教的な信念を呼び覚ます言葉。私はこの問題を慎重に扱ってきた」と語ったオバマ氏は、その上で、同性愛者が結婚制度においてさまざまな制約を受けている現状について、「同性愛者のカップルが結婚できるようにすべきだ、という結論に達した」と発言した。
この言葉に、2丁目中が沸いた。クラブやバーで、オバマ氏をたたえるパーティーが行われたほか、ネット上にも、同性婚容認論者の喜びの書き込みがあふれたのだ。
米国でも、同性婚は宗教的、倫理的に意見の分かれる大きな政治テーマの一つなだけに、別のバーでも、「偏見なく、同性愛を認めてくれる。やっぱり筋を通す男はステキよ」(がっしりした体形のオネエさま)。
※週刊朝日 2012年11月23日号