西南学院が創立百周年を迎えた2016年には、5月14日に行われた記念式典において記念講演の講師としてお迎えしたほか、同月24日には中学校・高等学校の後輩たちに志を語ってくださいました。

「西南学院創立百周年に当たっての平和宣言」を公表し、平和を実現する者として歩む西南学院にとりまして、異文化の地で隣人と共に歩まれた先生の生き方は、西南学院における「平和構築」のあり方を体現しておられると思います。

 そのような先生のお働きに感謝し、西南学院はこれからも先生の志を大切にして歩む教育機関でありたいと心から願います。

 中村先生のご遺族、先生とともに銃撃を受けてお亡くなりになった現地スタッフの方々のご遺族、ペシャワール会をはじめ関係者の皆様に主イエス・キリストによる慰めがありますよう、心からお祈り申し上げます。

◆福岡県立福岡高等学校

 昨年6月の創立百周年記念パネルディスカッションでもお世話になった、本校17回生の中村哲先輩が、12月4日アフガニスタンで凶弾に倒れ亡くなられたという悲報が届きました。

 本校にとって中村先輩の生きざまは誇りであり、実践やその根底にある思いを飾らない言葉で我々に語ってくださった偉大な先輩を、このような形で失った喪失感は余りにも大きく、今は言い表す言葉が思い浮かびません。

 福高生のために語ってくださったひとつひとつの言葉を振り返り、これからの教育実践に活かしていくことで、その思いに応えてまいりたいと思っています。

 心からご冥福をお祈りいたします。

◆九州大学

中村哲特別主幹教授の訃報について

 中村哲先生の突然の訃報に接し、現地の復興のために尽力してこられた先生が、このような形で命を落とされることは痛恨の極みであり、その理不尽さに憤りを禁じえません。九州大学教職員・学生を代表し心からご冥福をお祈りいたします。

 中村哲先生は昭和48(1973)年3月に本学医学部医学科をご卒業され昭和59(1984)年にペシャワール会現地代表となられて以来、パキスタンやアフガニスタンにて医療活動に従事する傍ら、2000年に大干ばつに見舞われた際、「百の診療所より一本の用水路が必要」なことを痛感され、2003年からは農村復興のための水利事業を続けてこられました。そしてなによりも人の和を大切にされ、現地の人々の強い信頼のもと取り組んでこられました。

 本学においては平成26(2014)年の特別主幹教授就任以来、毎年本学学生・教職員そして市民の皆様に対し貴重な経験より、「飢えと渇きは薬では治せない」と語られ、これまでの取組やその想いをご講演いただきました。その成し遂げた事業の壮大さに強い感銘を受けるとともに、これまでの経験を通して感じた思いを率直に、そして丁寧に語られる姿に、先生の温かで誠実な人柄を感じてまいりました。

 改めてご冥福をお祈りするとともにご家族様には心よりお悔やみ申し上げます。

(文/教育ジャーナリスト・小林哲夫

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