1位 石川昂弥(東邦・内野手)
2位 橋本侑樹(大阪商業大・投手)
3位 岡野祐一郎(東芝・投手)
4位 郡司裕也(慶応大・捕手)
5位 岡林勇希(菰野・投手)
6位 竹内龍臣(札幌創成・投手)
育成1位 松田亘哲(名古屋大・投手)
「将来の中軸を担える若手野手」と、「勤続疲労が目立つリリーフ陣の整備」が課題だった中日。まず1位で3球団競合の末、石川を獲得できたことは非常に大きかった。当初は奥川と見られていたが、チーム事情を考慮してもこの選択は正解だ。根尾、石川で将来中軸を任せられればチームの大きな売りとなるだろう。4位で郡司を獲得して若手の捕手を補強できたことも大きい。ただ全体的に見ると、もっと思い切って野手を狙っても良かったというのが感想だ。2位の橋本、3位の岡野は力のある投手だが、この順位での獲得は疑問。岡林を外野手として指名したというのであればだいぶ事情は変わってくるが、まずは投手をやってみてとなると、野手に転向しても時間はかかる。そういう点が少しマイナスポイントとなってこの評価となった。
■DeNA:60点
1位 森敬斗(桐蔭学園・内野手)
2位 坂本裕哉(立命館大・投手)
3位 伊勢大夢(明治大・投手)
4位 東妻純平(智弁和歌山・捕手)
5位 田部隼人(開星・内野手)
6位 蝦名達夫(青森大・外野手)
7位 浅田将汰(有明・投手)
「メジャーへの流出が濃厚である筒香嘉智の後釜となる強打者」「右のエース候補」「即戦力の捕手」を狙いたかったが、1位では単独指名で森を選択した。将来のショートも確かにほしいところだが、優先順位は決して高くないように見えるだけに、この指名は疑問が残った。また2位ではサウスポーの坂本、3位ではリリーフタイプの伊勢と二人の大学生投手を獲得。大学卒の左腕がチームの中心になっているという成功法則はあるかもしれないが、不足しているのは右の先発タイプだけにこの選択も解せない。また順位も1つずつ高いような印象を受ける。5位と6位で大型の野手を獲得しているのは救いだが、全体的にちぐはぐな印象は否めない指名だった。
(文・西尾典文)
●プロフィール
西尾典文
1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行っている。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。