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韓国政府は16日からウィーンで始まった国際原子力機関(IAEA)総会で、東京電力福島第一原発の汚染水の処理方法について「今も解決されていないままで、世界中に恐怖や不安を増大させている」と問題提起。日本側が反論し、日韓が応酬するテーマの一つになろうとしている。東日本大震災後、福島県や事故が起きた東京電力福島第一原発を定期的に訪れているお笑い芸人のカンニング竹山さんは「今こそみんなが原発について知識を持って、ちゃんと考えるべき」と訴える。
【画像】あと3年で限界!? 福島第一原発の敷地内に並ぶ汚染水のタンク
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小泉進次郎さんが初入閣して、環境相と原子力防災担当相になったことで注目されていますが、韓国の動きもあり、このタイミングで原発のことをみんなでちゃんと考えていかないといけないと思うんですよね。まず一番、切羽詰まっているのが汚染水の問題。
東京電力の福島第一原発から出る“汚染水”について、ちょっと前に、前任の原田(義昭)大臣が「思い切って(海に)放出して、希釈するほかにあまり選択肢がない」と言ったんですよね。汚染水のことは経済産業省の管轄だし、大臣という立場で個人的な意見を言ったこともあって、反対が出たんだけど、原発のことを知っている人の本音はあれだと思うんです。
一般的に汚染水と言われているのは、正しく言うと、汚染水と処理水の2種類があります。誤解している人が多いからすごく簡単に説明すると、東日本大震災で原発がメルトダウンしましたよね。つまり容器が溶けちゃって、泥のようになった核燃料が原子炉内のいろんな隙間に入り込んでいます。本当はチェルノブイリ原発みたいに固めるという作戦もあったのですが、技術の進化もあり、ロボットを使ってちょっとずつ取り除いていくという方向になりました。
そして、メルトダウンした格納庫からは熱が出ます。それを常に水で冷やさなきゃいけなくて、そこから放射性物質だらけの水ができます。これが汚染水。ものずごく危険です。それをALPS(アルプス)という設備で処理すると、ほぼトリチウムだけの水になり、タンクに貯められます。これが処理水です。東電は原発の周りの土地に中間貯蔵施設を作っていて、僕が今年1月に見に行ったときにも、新しく建設中でした。でも敷地にも限界があるわけで、2年半から3年でいっぱいになると言われています。