さらにコパ・アメリカに招集された伊藤達哉(シント=トロイデン)、アジア杯のメンバーで鎌田と同じくFWの候補にもなりうる北川航也(ラピード・ウィーン)、ハリルジャパンでは常連だった久保裕也(ヘント)なども有力候補だが、個人的に爆発的な台頭を期待するのがガンバ大阪からマンチェスター・シティに移籍し、スコットランドのハーツに貸し出された食野亮太郎だ。東京五輪にも出場資格を持つ21歳だが、森保監督にU-22も含めて一度も招集されたことがない。

 しかしながら“食野”の名前さながらに、ワイドからの仕掛け、飛び出しなどからゴールに食い付くような貪欲なフィニッシュワークでゴールを決める。本質的にFWの選手だが、“森保ジャパン”に入るとすれば2列目のどこかになるはず。それでも目指すのはゴールであり、他のライバルにも無いガツガツ感が日本代表を活性化させる可能性もある。まずはスコットランドで活躍しないことには話にならないので、ゴールを奪い続けることでのアピールに期待したい。(文・河治良幸)

●プロフィール
河治良幸
サッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』の創刊に携わり、現在は日本代表を担当。セガのサッカーゲーム『WCCF』選手カードデータを担当。著書は『サッカー番狂わせ完全読本 ジャイアントキリングはキセキじゃない』(東邦出版)、『勝負のスイッチ』(白夜書房)、『サッカーの見方が180度変わる データ進化論』(ソル・メディア)など。Jリーグから欧州リーグ、代表戦まで、プレー分析を軸にワールドサッカーの潮流を見守る。NHKスペシャル『ミラクルボディー』の「スペイン代表 世界最強の"天才能"」に監修として参加。8月21日に『解説者のコトバを知れば サッカーの観かたが解る』(内外出版社)を刊行。

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