TVウオッチャーの中村裕一氏は、本作の魅力と存在意義を次のように解説する。
「ネット民の大好物である“謎”を徹底的にこれでもかと散りばめることで好奇心を刺激&増幅。そのことによってSNS上で“深読みの連鎖”が発生し、今回のヒットにつながっていったのだと思います。怪しさ全開の多彩なキャラクターを配置し、真犯人が誰か容易に想像させないまま新たな謎を提示し、次週に視聴者を引っ張るという、海外ドラマの王道フォーマットに寄せたことも奏功しました。また、マンションという閉ざされた空間での生死をかけた群集劇は、本作に出ている安藤政信も出演した大ヒット映画『バトル・ロワイアル』を彷彿させます。それらには『単なるサスペンス・ミステリードラマにしたくはない』というスタッフの並々ならぬ決意と覚悟がうかがえます。残すところあと1回ということで、視聴者の最大の関心は『真犯人は誰か』に絞られていると思いますが、ここまで楽しませてもらったら、もはや伏線が回収されなくても大満足ではないでしょうか」
果たして、関係者から絶賛される本作の結末はどこに着地するのか。ドラマ史に名を残すほどの“ありえない大団円”を期待したい。(藤原三星)