日本に対して強気の姿勢を崩さない文在寅韓国大統領(c)朝日新聞社
日本に対して強気の姿勢を崩さない文在寅韓国大統領(c)朝日新聞社
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ソウルの日本大使館近くで、日本企業のマークを描いた箱を踏みつぶして日本製品不買を呼びかける中小商業者団体のメンバー(東亜日報提供)
ソウルの日本大使館近くで、日本企業のマークを描いた箱を踏みつぶして日本製品不買を呼びかける中小商業者団体のメンバー(東亜日報提供)

 日本と韓国の関係悪化が、危険水域に達している。安倍晋三首相は、安全保障上の輸出管理で優遇措置を適用する「ホワイト国」から韓国を除外することを8月2日に閣議決定した。ホワイト国の取り消しは韓国が初めてとなる。

【写真】韓国の不買運動で日本製品のマークが入った箱を踏み潰す人たち

 文在寅韓国大統領は、2017年に政権を発足させてから日本への強硬姿勢を鮮明にしてきた。慰安婦合意の破棄、レーダー照射問題、元徴用工に対する賠償判決と3つ続けて日韓関係を悪化させる事態が続き、修復不可能な状態が続いている。

 文政権に対して業を煮やした安倍政権が繰り出したカードが「ホワイト国からの除外」だ。すでに7月4日には、半導体などの材料3品目について輸出許可の手続きを厳格化していることから、ホワイト国の除外は“韓国制裁”第2弾となる。

 韓国は、GDPの約4割を輸出が占め、半導体はそのうち約2割を占める主力産業だ。一方で、日本の対応を疑問視する声もある。ある外務省関係者は「日本が韓国に反発する気持ちはわかる」としながらも、「安倍政権には戦略がない」と冷淡だ。

「そもそも、今回の対抗措置は経産省が前面に出すぎている。北方領土交渉の際の経済8項目提案も、経産省は具体性のないロシアとの経済協力プランを山ほど出して、ロシアの外交官はあぜんとしていた。『3メートルぐらいの高さのある日本の提案書をシュレッダーにかけるのが大変だ』と小バカにしていましたからね」(外務省関係者)

 それでも、読売新聞の世論調査(7月22、23日実施)では、韓国への輸出管理の厳格化について「支持する」とした人が71%で、「支持しない」の17%を大きく上回った。ただ、ホワイト国から除外が、どこまで韓国の経済にダメージを与えるのかは未知数だ。手続きの簡素化がなくなるだけで、輸出そのものが禁止されるわけではないからだ。

 むしろ、安倍政権が拳を高く振り上げたことで、韓国国内の反日感情がさらに高まっている。韓国では現在、日本製品の不買運動が始まっていて、観光業にも影響が出始めている。

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観光業で日本が打撃