■「翔んで埼玉」大ヒット最大の立役者

 賛否両論渦巻く「ストロベリーナイト・サーガ」だが、大ヒットした前作のプレッシャーを跳ね飛ばし、孤軍奮闘する二階堂ふみは本作を新しい人気シリーズへと生まれ変わらせることができるのか。テレビ情報誌の編集者の編集者は次のように分析する

「今回の『ストロベリーナイト・サーガ』は長期的なシリーズになる可能性は大いにあると思います。それぐらい、“5年後の二階堂ふみ”が演じる姫川を見たいと思っている人は多いのではないでしょうか。今年、二階堂さんが主演した映画『翔んで埼玉』は興収31億円突破と大ヒットし、続編も確実視されています。あんな衝撃的な漫画原作を、絶妙な仰々しさを出しながら、物語の世界観を損なわずに演じ切れるのは、この世代の女優だと二階堂さんだけでしょう。今まで演技力はあるもののヒット作に恵まれなかった彼女は、この作品を機に日本を代表する女優になるチャンス。一方で映画女優としてはフルヌードも厭わないスタンスで、さまざまな人気監督たちが最も仕事をしたがる女優だと言われています」(同)

 TVウオッチャーの中村裕一氏は二階堂ふみの今後の活躍にこう期待を寄せる

「彼女は与えられた役になりきって本領を発揮する“憑依タイプ”の女優です。予想外の大ヒットを飛ばした映画『翔んで埼玉』でも、GACKTや京本政樹をはじめとする濃厚なキャラクターに決して負けることなく存在感を見せつけ、突拍子もない世界観に見事にハマっていました。その一方で、芝居に対してキチンと自分の意見を持っており、監督とディスカッションを重ねて納得してから演技に臨むという、女優としての体幹の強さも兼ね備えている。セルフプロデュース力にも秀でているので、今はできる限りいろいろな役を演じ、自らの可能性を探っているのではないでしょうか。日本ではどうしても年齢で評価されてしまいがちですが、このままブレることなく進んでいけば、おのずと女優としての評価は揺るぎないものとなっていることでしょう」

 伸びシロだらけの二階堂が「ストロベリーナイト・サーガ」を人気シリーズに押し上げ、日本を代表する女優になる日はそう遠くないはずだ。(藤原三星)

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藤原三星

藤原三星

ドラマ評論家・芸能ウェブライター。エンタメ業界に潜伏し、独自の人脈で半歩踏み込んだ芸能記事を書き続ける。『NEWSポストセブン』『Business Journal』などでも執筆中。

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