もちろん、これだけの収入があれば生活も超豪華。フロリダにある1280万ドル(約14億円)で建てた豪邸や、自身の現役時代の背番号「23」があしらわれたプライベートジェットの所有は序の口。スケールの大きいところでは、ゴルフをプレーしている際に他の人たちのペースが遅いことに腹を立て、自らプライベートのゴルフコースを作ってしまおうと決意したのだというから驚きだ。

 ただ、ジョーダンは皆に愛されたスーパースター。自身のためではなく、他人にも太っ腹なところも見せている。2015年には無断で自身の名前などを使用したとしてスーパーマーケット・チェーンを提訴し、裁判で勝利した数百万ドルの賠償金を慈善団体に寄付。近いところでは、2018年にハリケーンの被害を受けたノースカロライナ州とサウスカロライナ州の住民支援のため、200万ドル(約2億2000万円)を寄付し、自らも現場に赴き被災者に手を差し伸べた。

 そんなジョーダンは選手時代のカリスマ性も含め、国民的人気は未だに抜群。今年2月にはジョーダンのバスケットボールカードが、オークションサイト『eBay』で35万100ドル(約3900万円)という額で落札された。これはカードとして売買されたものでは、『eBay』史上最高額となるようで、自身の存在しないところでも大きなお金を動かす原動力となっている。

 競技は違うが、今年になっても、メジャーリーグでマイク・トラウトというスター選手がエンゼルスと12年総額4億2650万ドル(約472億円)で契約を延長したという情報が飛び込んできた。どの競技を見ても、海の向こうアメリカではアスリートの収入は上昇傾向にあり、その額には驚愕するばかりである。しかし、ジョーダンが稼ぎ出す額は別格。今後も圧倒的なカリスマ性を生かし、現役選手を超える収入を生み出す流れは、そう簡単には変わりそうにない。

※文中の円換算の金額は全て現在のレートで算出した。