「BALMUDA The Toaster」はシンプルなデザイン。カラーは白と黒がある
「BALMUDA The Toaster」はシンプルなデザイン。カラーは白と黒がある
フロントにはガラス窓と2つのスイッチだけ。左がパンの種類を選ぶモードダイヤル、右は焼き時間を設定するタイマーダイヤル
フロントにはガラス窓と2つのスイッチだけ。左がパンの種類を選ぶモードダイヤル、右は焼き時間を設定するタイマーダイヤル
できあがったバタートーストは、しみこんだバターの香りと味が絶妙だった
できあがったバタートーストは、しみこんだバターの香りと味が絶妙だった

 家電のマーケットでは、ときに停滞していたジャンルが、ある画期的なモデルの登場によって急に活性化するということが起きる。少し前の例でいえば、大きな進化のなかった炊飯器市場で、三菱電機がおいしさにこだわった10万円を超える価格の高級炊飯器を販売した。それが火付け役となって、高級炊飯器というジャンルが生まれた。それだけではない。エアコンの普及とともに忘れかけられていた扇風機市場も変化した。高価なDCモーターを採用し、羽根の構造からすべて見直して「自然界の風を再現する」という「GreenFan」が登場して、人気を呼んでいる。それが現在の高級扇風機ブームの先駆けになった。その「GreenFan」を発売したバルミューダというメーカーが、今度はトースター市場に参入した。

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 同社の「BALMUDA The Toaster」は、いまや1000円台から購入できるトースター市場で、2万円を超える価格で登場した製品だ。従来のトースターにはない、ボイラーを使ったスチーム機能と、緻密な温度コントロールで、本当においしいトーストを実現したという。パンを温める「だけ」のトースターで、本当にそこまで味の違いがあるのだろうか。実際にパンを焼いて、従来のトースターの仕上がりとも比べて、その実力を試してみた。

 まず目につくのは、フラットでシンプルなデザインだ。フロント部分は、ガラス窓と左右にある2つのダイヤルのみ。マットな質感の外装も上品で、どんなインテリアにも溶け込む高級感がある。左のモードダイヤルには、トースト、チーズトースト、フランスパン、クロワッサンといったパンの種類別にモードがある。それぞれのパンに合った最適な焼き加減や温度調節できる。ほかにも、スチームを使わない従来のオーブントースターと同じ機能のクラシックモードがある。

 右には時間を設定するタイマーダイヤルがある。回すときに目盛りごとにクリック感があり、回した分だけライトがほのかに点灯するといった凝ったつくりになっている。また、フロントの扉もしっかりと重みのあるもので、開閉時の感触は他のトースターとは一線を画す重厚感だ。扉を開けると上部に水を入れる注入口が見えるが、パンを焼くときにはそこから付属のカップで5ccの水を投入する。

 投入した水が加熱によってスチームが発生し、パンの表面を薄い水の膜で覆う。水分は気体より速く加熱するため、表面を素早く焼き、パンの中の水分や油脂、香りを閉じ込めるという仕組みだ。さらに、パンの種類に応じて緻密な温度管理で、焼きたてのパンのように仕上げることも可能だ。それが本当に効果があるのか、早速パンを焼いて試してみよう。

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