はじめにトーストを焼いてみた。一度に焼ける量は2枚まで。トーストの焼き時間は、メニューによると2分30秒~3分30秒程度だ。今回は、一般のオーブントースターで焼いたものと比較した(比較した写真があるので参照してほしい)。焼き色は焼き時間で調整できるが、焼き加減は本機で焼いたトーストのほうが均一に焼けている。さらに、断面も表面の部分の焼き目がしっかり厚みがあり、気泡が多くふんわりして見える。

 実際に口にすると、本機で焼いたトーストは表面がかりっとして、中はしっとりとしていた。かりっとした食感のあとにしっとりとしたコントラストがあり、ワンランク上のトーストを感じた。

 つぎに同社が「感動のトースト」と呼ぶバタートーストも作ってみた。事前にバターを塗ってから焼き、さらに焼き上がったうえにバターを載せて余熱で溶かすというレシピだ。パンにしみこんだバターの香りと、「かりっ、ふわっ」の食感が、実に心地よい。

 秀逸なのが、フランスパンとクロワッサン。これらのパンは、オーブントースターで加熱すると、どうしても焼きすぎて焦げたり、ぱさついたりしてしまう。だが、本機で焼いたフランスパンは、皮はパリパリ、中はふんわりという、焼きたてのおいしさを再現している。また、クロワッサンもサクサクの食感と、噛むほどにバターの香り立つジューシーさはすばらしい。この2つは他の製品にはない本機ならではの優れた特徴といえる。

 チーズトーストモードは、パンの上にシュレッドチーズを載せて焼くのに適している。チーズの持つ水分と風味を残したまま絶妙な焦げ目をつけることができる。そのままのチーズトーストもおいしかったが、今回は、応用レシピとしてピザトーストをつくってみた。ピザソースを塗ったパンの上にチーズと、スライスしたタマネギ、ベーコン、パプリカ、ミニトマト、バジルを載せて焼いた。チーズの表面は焦げてかりっと、中はトロトロに仕上がっている。文句なしの美味だ。

 最後にクラシックモードといわれる、スチームを使わないモードでグラタンを焼いてみた。庫内はグラタン皿がぎりぎり2つ入るサイズだが、今回は1つで焼いてみた。全体にバランスよく火が入り、おいしく焼けた。このモードは300w、600w、1300wと3つのモードがあるので、低温で焼くクッキーなどのお菓子作りにも活用できそうだ。

 トースターはいろいろなことができるわけでなく、パンを焼くことを主として使う製品だ。その製品に2万円超の価格を出せるかどうかは、どれだけパンをおいしく食べたいかによるだろう。少なくともパン好きならば、確実にその価値は見いだせる。パンをおいしく食べるために、徹底的なこだわりを盛り込んだこの製品は、まさにバルミューダならでは。他メーカーも間違いなく追従製品を発売すると思われ、新たな市場をつくりだすインパクトのある製品といえる。

(ライター・溝口裕作)

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バルミューダ http://www.balmuda.com/jp/