そこで、専門家に「2機種同時発売」について見解を尋ねてみた。元東京大学教授で、日本eスポーツ協会理事を務める馬場章氏は「これは近年縮小化する家庭用ゲーム業界の生き残りを賭けた選択でもある」と分析している。

「据え置き型と携帯型のゲーム機はプレイスタイルが異なるので、市場的に意外と競合しません。だから、PS4と3DSの同時発売という形を取ったのでしょう。PS4は現時点で最新の性能を持つ機種。一方、3DSは現在最も普及しているハードです。2機種で最初から同時開発すれば、開発のロスをなくし、かつソフトを効率よく販売できる狙いがあるのでしょう。ハードを販売する企業にとっても、スマホゲームの隆盛に対して、ゲーム機同士の『競争』から『共存』を図る時代に入ったといえます」(馬場氏)

 スマホに対抗したゲーム機の“共存”……「ドラクエ11」の登場でゲーム業界の地図は塗り替わるのかどうか。そう考えると「7月29日」の楽しみがまた一つ増えるかもしれない。(ライター・河嶌太郎)