さまざまな路線が乗り入れする東京駅。乗り場だけでなく改札口も多く、使い慣れていない人には、まるで迷路のような構造だ。そんな東京駅の構内をスマートフォン(スマホ)を使って案内するサービスが始まる。

 JR東日本は、東京駅構内に設置された無線ビーコンを利用してユーザーに道案内をするスマートフォン向けアプリ「東京駅構内ナビ」(iOS対応・無料)を2014年12月18日から公開する。15年2月28日まで同アプリを用いた実証実験を行い、その後、本格導入を目指す。

 このアプリは、東京駅構内の約160カ所に設置されたBluetooth対応の無線ビーコンが発する電波をスマホで受信し、画面の地図上にユーザーの現在位置や、設定した目的地までのルートが表示される、というもの。このシステムは、同社と大日本印刷、日立製作所の3社で共同開発している。

 アプリの最大の特徴は、地図上に表示されるルートと、実際に駅構内に設置されている案内サインとを連動させて、道案内をするという点だ。スマホの画面に表示される案内サインと、実際に見える案内サインを見比べることで、現在地や自分が今どの方向を向いているのかが確認しやすくなるという。

 また、ユーザーの進行方向に応じて地図の向きが切り替わる「コンパス連動機能」も備えている。地図に表示される施設の名称やアイコンも向きに合わせて回転するため、地図を見るのが苦手な人でも安心して使えそうだ(一部使えない場所もあり)。

 さらに、インフォメーションセンターやトイレ、コインロッカーなど、よく利用される施設の場所を地図上に表示する「かんたん案内」機能や、自分の周辺にある施設を選択して方角を特定する「周辺ビュー」といった機能も用意されている。

 使い慣れていない人には迷路のような東京駅でも、このアプリがあれば心強そうだ。これから帰省や観光で東京駅を利用する予定がある人はもちろん、地方から家族や知人、友人らが上京する予定がある人も、チェックしてみてはいかがだろうか。

地図上に表示されるルートと駅構内の案内サインとを連動させて、道案内をしてくれる
<br />(JR東日本提供)
地図上に表示されるルートと駅構内の案内サインとを連動させて、道案内をしてくれる
(JR東日本提供)