重いランドセル、外遊びの減少、受験勉強によるストレスなどから、最近子どもの頭痛や肩こりが増えています。『AERA with Kids秋号』(朝日新聞出版)では、頭痛や肩こりの正しい対処について取材しました。

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 はじめに、頭痛についてです。頭痛は一般的に、ガンガンと強い痛みのある「片頭痛」と、重く締め付けられるような痛みを感じる「緊張型頭痛」の2種類があります。片頭痛は身動きできないほどの強い痛みがあるので、病院にかかる子どものほとんどがこちらのタイプ。いつ起こるかわからないものの、薬を飲めば治りやすいのが特徴です。一方緊張型頭痛は、動いたり遊んだりができるくらいの痛みですが、薬を飲んでもあまり効かないのが特徴。姿勢の悪さからくる筋肉のコリや、ストレスからくる心因性の場合があり、痛む時間が決まっていることも多いようです。

 長年小児頭痛外来で多くの子どもを見ている藤田光江先生は、頭痛の対処について次のように話します。

「まず、子どもから『頭が痛い』と言われたとき、頭が痛い事実を受け入れてあげてください。ここを認めてもらえずに、つらい症状のまま我慢をしている子どもが本当に多いんです。そして痛む様子を本人から聞いたり観察したりして、どちらの種類の頭痛かを見極めましょう」

 片頭痛と緊張型頭痛のどちらの頭痛かがわかったら、それぞれに合った方法で対処を。

「片頭痛は痛みはじめに小児用頭痛薬を服用させ(大人用の頭痛薬はNG!)、暗い場所で横にさせると2~3時間でだいぶよくなります。緊張型頭痛のほうは、原因によって対処が違います。コリが原因のときは体操やストレッチなどで体を動かし、血流をよくするとラクになっていきます。ストレスが原因の場合は、習い事は多くないか、先生や友だちとの関係はどうかなどに気を付けて、環境を整えてみてください」(藤田先生)

 もちろん病気が原因で起こる頭痛もあるので、なかなか治らない場合や頻繁に起こるときは、はやめに病院に行くことを忘れずに。

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AERA dot.編集部
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