次に肩こりについてです。姿勢が悪いと筋肉の血行が悪くなり、痛みを引き起こす物質が出て首や肩が痛みます。最近では外遊びの時間が減っているうえ、受験勉強のストレスから自律神経のバランスを崩し、ひどくなるケースも増えています。
「子どもの肩凝りのほとんどが、姿勢が悪いことから来ています。筋肉が固まってしまうのがいちばんの原因なので、こまめに体を動かす、いい姿勢を意識して首や肩への負担を減らすことを心がけてください」
そう話すのは、整形外科医の佐々木政幸先生です。
「子どもは大人よりも筋肉が柔らかく、回復力もあるので姿勢や学習環境を変えることで症状が緩和しやすい。深呼吸やホットタオルで目を当てて自律神経をリラックスさせるのも血流もよくなり、効果的です」(佐々木先生)
ただ、肩こりや頭痛などで子どもにマッサージをするときは注意が必要です。子ども向けの鍼灸・マッサージを行っている山口あやこ先生は次のように話します。
「子どもの筋肉は成長の過程にあります。強すぎる刺激は筋肉が硬くなってしまうし、大人のマッサージのようにもみほぐそうとしても、痛がったりくすぐったかったりとうまくいきません」
もみほぐさないとなると、どのような方法でやるといいのでしょうか。
「子どもの場合、マッサージやツボの刺激は弱めがちょうどいい。ツボにしても肩などの筋肉にしても、さするくらいで十分気持ちがいいんです。強さはこどもによって様々。感触を確かめながら強さを調節してみてください」
『AERA with Kids秋号』では頭痛・肩こりに効くマッサージやストレッチの方法も紹介。ちょっとした合間にできる子どもの体のケアを、ぜひ試してみてください。
安浪京子,高濱正伸,陰山英男,石田淳