5.「普段手を挙げない子」も発言できるように

教室で意見を言う生徒は固定されがちですが、オンラインの双方向授業では全員の意見を画面上で確認でき、普段は意見の発表が苦手な生徒の考えを知ることができました。チャットのほうが自分の意見を言いやすいと考える子どももいるようです。

6.「不登校の子ども」も授業に参加しやすくなった

大人数の中で授業を受けることが苦手な不登校の子どもにとって、自宅で取り組めるオンライン授業は非常に参加しやすいものでした。今後はオンラインの活用によって、不登校の生徒に対してもさらに手厚いフォローが行われていくことが期待されます。

7.「先生方の過酷な労働」が浮き彫りになった

休校が始まった3月は年度末。成績処理や新学期の準備でもともと先生方が忙しい時期でした。そんな中で授業のオンライン化が進まなかったり、オンライン授業が始まってもその準備が予想以上に大変だったりしたようです。6月に登校が再開されてからも、先生方は校内の消毒を行い、通常時は生徒がする清掃を担うなど、感染対策で手いっぱいになりました。オンライン授業の新しいチャレンジを生み出すためには、先生方の働き方を見直すことも必要です。

注※ GIGAスクール構想:文部科学省が推進する、生徒1人に1台の学習用PCと高速ネットワーク環境などを整備するプロジェクト。

(取材・文=原 ユキミ)

※現在発売中の「AERA with Kids秋号」では、このほかオンライン授業実践例も紹介しています。せっかく始まったオンライン教育。課題を一つずつクリアしながら、さまざまな可能性を生かす学びになるよう、これからも注目していきたいと思います。

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原ユキミ
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