それでは、試行錯誤の中で見えてきたオンライン教育の利点や課題などを具体的に見ていきましょう。

1.「個に応じた学び」を進められるようになった

オンラインで配信する授業映像や課題に対し、子どもが好きなときに学習に取り組めるようになりました。学校での授業とは違い、子どもが1日の時間を工夫して使いながら自分主導で学習を進めていくことが可能に。授業映像では、わからない分だけを何度も再生して視聴できるため、自分のペースで学習を深めることができます。オンライン授業で出された課題を自分のスケジュールに合わせて取り組み、クラウド経由で提出するというスタイルも見られました。

2.「自治体の温度感」によって取り組みの差も

「教育プラットフォームやデバイスを何にするか」。これを選ぶのは自治体で、選んだものによって学びの形は変わってきます。また、端末の寿命や環境のメンテナンスなども自治体の予算に応じて動くため、どのように環境を整えていくかによって学びへの影響が出る
ことも。分散登校が始まったとたん、以前の対面授業に戻ろうとして、せっかく始まったオンライン授業が止まってしまった学校もあるようです。

3.「オンライン・リアル授業の役割」が見えてきた

休校がきっかけで取り組みが広がったオンライン授業でしたが、実際に活用してみると、リアル授業よりも先生が子ども一人一人の考え方を把握しやすい、チャットなどの利用でコミュニケーションがとりやすいといったメリットがわかってきました。同時に対面のリアル授業や学校生活で得られる社会性なども再認識されました。休校中のオンライン授業は、学校のありかたや意義を見直すきっかけにもなっています。

4.「双方向のコミュニケーション」の取り方が今後の課題

教育プラットフォームによって課題やデジタル教材を配信したり、提出したりと双方向でやりやすくなった半面、リアルタイムのオンライン授業では一方的な内容のものも多かったようです。生徒が聞くだけのような解説中心の45分間授業では、モチベーションを保てずに画面をオフにして別のことを行う子どもも。

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