塾選びは中学受験の最初のハードル。志望校や子どもの性格、家庭のライフスタイルに合うのか、問題なく塾生活が送れるのか――。塾選びのコツと最近の動向を、中学受験専門カウンセラーの安浪京子さんとノンフィクションライターの杉浦由美子さんに聞きました。AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2024』(朝日新聞出版)より抜粋して紹介します。

MENU 情報入手は自分軸で近年の動向にも注意 ときどき思い出したい塾活のキホン 塾を選ぶときに考えたい5つのポイント

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 中学受験者数の増加に伴い、塾への関心が高まっている。入塾の低年齢化によって校舎が次々と増設され、近年ではコロナを機にオンライン化も進んだ。多様な塾サービスを受けられると同時に、6年間きめ細かく面倒を見てくれそうな中高一貫校も透けて見える。受験をしたほうがいろいろな意味で子どもを成長させてくれるのでは、という期待値が上がるのも当然かもしれない。だが、この現状には課題もあるという。

「校舎やクラスを増設するなど、塾業界が活況を呈する半面、先生が不足したり、完全に商業主義に走り始めたりした塾もみられます。塾にはそれぞれ特徴があるので、自分の目で見て、必ず子どもと相談してどの塾にするかを決めてほしいですね」(安浪さん)

情報入手は自分軸で近年の動向にも注意

 塾の説明会ではわからないことも多々ある。

「例えば、宿題のチェックはやってくれるのか、講習などを含めるとトータルでいくらぐらい費用がかかるのか、面談は誰が対応するのか。そういったこまごまとしたことは入塾前に確認しておいたほうがいいです。説明会で質問できなければ、問い合わせ番号に電話をするのもおすすめです」(杉浦さん)

 もう一つ気に留めておきたいのが塾の教材だ。関東圏では『予習シリーズ』『新演習』といった基幹テキストが改訂され、難度がぐんと高まった。

「授業の進め方やレベルに影響が出ていて、同じ塾でも2〜3年前と学習内容のイメージが違うかもしれません。上の子がここに通ってよかったから下も同じでいいかと思うと全然違う学びの世界になっていて、苦戦することもあるようです」(安浪さん)

 塾も家庭も時代に合わせて少しずつ変わる。前向きな受験生活を送れるよう変化を読み取ることも大事な要素かもしれない。

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原ユキミ
原ユキミ

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