学校説明会では保護者に「自由服」の説明として、「責任を伴う自由として、学校にふさわしいものを着てほしい」と話す。保護者はどういう服を着せればいいか不安になるが、実際には学校を訪問し、日常の生徒の様子を見ると安心するという。

 以前はスカートのみだったが、いまでは生徒同士の話し合い、教員との話し合いを経てパンツスタイルも認められている。

「なんちゃって制服」は「制服ルック」とも呼ばれ、恵泉女学園にも少なからず見られた。教員からは、「自由でいいのに、なぜ同じような制服ルックをしたがるのか。それはやめさせたい」という意見もあった。

「制服ルックでないことが逆に目立つということもあって、それで制服ルックのほうが無難と思われたからでしょう。でも、最近、制服ルックは減りました。上級生になるほど制服ルックから離れ、自分で好きなものを着こなす傾向があります。服にお金がかかるという話も聞きません。自由服は個性をあらわす手段の一つであり、同時にTPOに合わせたものを自分で選びとることを学ぶ教育の大切な要素です」

◆日本女子大学附属中学校・高校

 学校の起源は、1901年に開学した日本女子大学校附属高等女学校である。戦後、日本女子大学附属中学、高校に分かれた。このとき、中学校は高等女学校時代からのセーラー服を踏襲し、高校は制服を定めなかった。

 高校は制服について次のように記している。

「本校の服装についての心得には、『通学服については、本校があえて校服を制定しない趣旨をよく理解し、生徒自ら定めた風紀規約を正しく守り、これにもとづいた服装をする』とあります。 毎年、次年度自治会の責任者たちが規約改正準備委員会を発足させ、服装の規約に関してもそこで討議し、最終的には全校投票をもって決めます。生徒達は、この内規の中で自由に服装を選び、個性を表現しています」(同校ウェブサイト)
 
 高校開校当初は毎年、自治会で服装の内規を作っていた。今でも、前年の「自治会規約」のうち改訂すべき箇所を募り審議する「規約改正」の一環として、毎年見直しをしているが、短期的視点ではなく今後長く通用する「内規」を考えるという視点で話し合われている。最近では、冬のコーデュロイのスラックスやスニーカーが認められるようになった。内規ではスカート(またはキュロットスカート)について、紺・黒・グレーの無地でハードプリーツのあるものと定めている。

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