「西町でもICUでもプレゼンテーションやリポートが多かったので、自分の意見をまとめることには自信がありました。それもあって、大学は論述試験がある京都大学経済学部を受験したんです。受験勉強では英語を勉強する必要がない分、他の科目に時間をまわせました」

 西町時代に親しんだ演劇への興味は冷めやらず、大学では演劇サークルに所属。とあるオーディションをきっかけに、英国のサセックス大学大学院映像学科へ留学する機会も得た。順風満帆にしか見えない川崎さんの歩みだが、就職活動ではちょっとした壁にぶち当たる。帰国後、2020年3月から就活を始めるも、個性を尊重するインターではよしとされていた自己アピールが日本の就活ではマイナスとなることもあった。

「海外の就活では自分の能力をアピールすることが大事なのですが、日本の就活ではその会社に入ってやりたいことや、周りと一緒にどう働いていくのかというところを見られている気がしました」

 そんななか、川崎さんの就活に終止符を打ってくれたのは、他でもない英語力だった。

「英語ができてエンタメ系ビジネスに理解ある人を吉本興業で求人していて、運よく拾ってもらいました。企業営業という部署で、海外企業と吉本興業をつなげる、橋渡しのような仕事をしています」

 最後に、インターに行ってよかったかを尋ねてみた。

「総合的にはよかったです。インターは、英語をネイティブ言語にしたい人にはいい環境。英語ができることで行ける場所や交流の幅も広がるし、日本人的な視点とは別の視点を持つことで俯瞰して物事を見ることができる。それは大きな強みだと思いますね」

◇川崎裕さんHistory

1歳 オーストラリアで1年過ごす
5歳 西町インターナショナルスクール幼稚部
6~15歳 西町インターナショナルスクール
15~18歳 国際基督教大学ICU高等学校
18~22歳 京都大学経済学部(3年次ペンシルベニア大学に交換留学)
22~23歳 サセックス大学大学院映像学科修士
23歳 帰国、吉本興業に就職

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