グローバル化が進む中、インターナショナルスクールも子どもたちの将来を見据えた選択肢の一つ。インターを出た後に見えてくる進路とは? 『AERA English特別号「英語に強くなる小学校選び2022」』では、インターと日本、両方の学校で学んできた川崎裕(ゆう)さんと、そのお母さんに話を聞きました。
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■「個性が尊重され、自己表現力が培われた」
幼稚部から中等部まで、西町インターナショナルスクール(東京都港区、以下西町)に通った川崎裕さん。同校で日本語教員をしていた母・美智子さんの導きだった。入学後は、授業のほか、放課後に上級生たちが英語の本の読み聞かせをしてくれたり、自らが音読したりする「アフター・スクール・リーディング」に積極的に参加し、英語力を磨いた。西町の授業の中でも、川崎さんが「受けてよかった」と振り返るのがドラマ(演劇)のクラスだ。
「スケルトン先生という陽気で優しい先生がいて、生徒の表現する力を積極的にほめてモチベーションを上げてくれました。自分の個性が認められてうれしかったですね。この授業のおかげで、自己表現力や感情の出し方、言いたいことをはっきりと伝える姿勢が培われた気がします」
西町を卒業後は、中学校卒業程度認定試験で認定証書を獲得し、国際基督教大学高等学校(以下ICU高校)へ。生徒の3分の2が帰国生であることから、雰囲気はインターに近いものかと思いきや、全く違うと感じた。
「インターは良くも悪くも究極的に個人主義。一方で、日本の学校は調和を大切にする。私も含めて日本人には多少なりとも帰属意識みたいなものがあるのを感じました」
■英語力だけでなく論述の力も養われた
ICU高校では、英語のクラスはレベル別になる。川崎さんがいた上級クラスでは、英語はあくまでも学習手段。英語で何かを調べたり学んだりする授業で、英語の応用力はしっかりキープできたそうだ。全日本高校模擬国連大会にも出場し、最優秀賞を獲得した経験もある。
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