ただし、英語力がインターナショナルスクール入学への第一条件ということではない。家庭の教育理念や子どもがこれまで親しんできた学習方法などが各学校の理念や教育の内容と合わなければ、ネイティブ並みの英語力があったとしてもミスマッチとなる。
「子どもがどんな環境であれば一番輝けるのか、自信に満ちあふれた学校生活が過ごせるのかを第一に考えてほしいです。学校と一緒に子育てをしていくことが大事なので、ミッションステートメントやバリューに共感できるか。学校側も英語力だけでなく、そういったところも見ています」
■やりたいことを徹底的に追究できる
卒業後は多くのインター生が大学へと進学する。インターナショナルスクールや海外の学校からの受験者も受け入れるべく、日本の大学も総合型選抜(旧AO入試)やIBを活用した入試など、従来とは異なる試験方法を設け、間口を広げている。そんな傾向もあってか、アオバでは日本と海外の大学へ進学する卒業生の数は半々くらいだという。
「とはいえ、卒業後の選択肢は大学だけに限りません。音楽を学びたい子や在学中からモデル活動をしていた子は美術系の専門学校に行ったり、シェフになりたい子は料理の専門学校に進学したり。インターの場合、勉強と同じくらい、アートやスポーツも大事にしている学校が多いので、自己表現の仕方がたくさんあることを知っているんだと思います。そういう意味では、インターは子どもたちがやりたいことを、とことんやらせてもらえる環境です」
◇インターナショナルスクールのQ&A
【Q1】インターは義務教育を受けたことにならない?
学校教育法第一条に定められた学校(一条校)を除き、多くのインターは卒業しても義務教育を修了したとは認められない。ただし自治体によっては対応が異なることも。「インターに通いつつも、居住地区の公立学校に籍だけ置くことを認める自治体もあるそうです」(木村さん)。また、CISやWASCなどの国際的な評価団体の認定校であれば、高等学校卒業程度認定試験(旧大検)を受けずに、日本の大学を受験することができる。
次のページへ