小中学生向け月刊誌「ジュニアエラ」の連載「謎解きクイズノック」でもおなじみの伊沢拓司さんが書き下ろした『クイズ思考の解体』が10月20日に発売されました。ジュニアエラ11月号では、伊沢さんにこの本のことやクイズを通して広がった世界について聞きました。伊沢さん自身が子どものころに多くの本や大人との会話から影響を受けたように、自分も子どもたちにいい影響を与えられたらと語っています。

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――『クイズ思考の解体』は480ページの超大作です。子どもたちには、どのように読んでもらいたいですか?

 ぜひ、背伸びして読んでほしいです。今、クイズ番組や僕たちQuizKnockのYouTubeを楽しく見てくれている小中学生が、この本を読んだ数年後に、あれはそういうことだったのかとなるような本になればいいなと思います。そういう意味で、この本はクイズの入門編ではないので、とても難しいかもしれません。僕自身、小学校のころ、「ハリー・ポッター」や「バーティミアス」シリーズといった、分厚いファンタジー小説を一生懸命頭の中で、登場人物の名前を忘れないようにしながら必死で読んだ経験があります。この本はそれらとはちょっと性質が違うかもしれないけど、分厚い本には自分の知らない世界がいっぱい詰まっていて、あとでわかることもあるし、見たことがない世界に触れることで、世界はこんなにも広いんだと知ることができます。

――中学生のときからクイズに没頭した伊沢さん。クイズを通して大人とどう関わってきましたか?

 クイズを通して、背伸びしながら大人とコミュニケーションをとるなかで、ほめられたりさとされたり、いろいろなことを教えてもらうことができました。その経験をベースにして、当時の僕に大人たちがしてくれたことを、今度は僕が子どもたちへつないでいけたらと考えています。みなさんも背伸びしてこの本やクイズを通して僕に挑戦してきてくれれば、全力で迎え撃ちます!

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AERA編集部
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