矢萩:毎週話をしながら語彙や文法を体得してもらって、一文一文の意味がしっかり捉えられる子になってくれさえすれば、あとは指示語、接続語などを学習すれば、中学受験国語の読解問題には対応できます。もちろん、最難関・難関校はそれだけでは足りないですが。
安浪:そういう子たちは最終的にAO的な入試(新型入試)を選ぶんですか?
矢萩:適性検査型や思考力型などの新型入試を合わせて受験することも多いですが、倍率が高かったり、評価基準が学校によって違ったりするため結果が読みにくいので、あくまで国語、算数の2科目受験をベースに準備しますね。この2科目は探究をはじめ、あらゆるシーンで使う基盤となる学力なので。
安浪:算数の勉強はどうしますか?
矢萩:もちろん、算数も同時並行でやっていきます。特に計算は大事。ただし、計算のトレーニングは家でやってください、と言っています。国語力がついて算数の1行問題で何を問われているかわかるようになったら、本格的に算数の勉強に入ってもらいます。探究的な学びに振り切っている子に対しては、算数に関してはまずは1行問題をしっかり解けるか、ということを達成目標としていますね。
安浪:確かに、基礎ができているかどうかは、1行問題がしっかり解けるかどうかで判断がつきます。探究的な学びを大切にしつつも、やはり4教科の学びをやっていきたいご家庭にはどうアドバイスしますか?
■子どもの興味を起点に学ぶのがいい
矢萩:それぞれの子どもの興味を起点に学ぶのがいいと思います。4科目の中で「これは面白い」と思ったものが見つかれば、とりあえずそれに食らいつくぐらいの気持ちでやってみる。先生との相性の良さも関係してくると思うので、運もあると思うのですが。
安浪:なるほど。まんべんなくやるのではなく、その子の興味を起点に学ばせる、というのはとても腑に落ちる学びの方法ですね。
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