社会では、たしかに左利きより右利きの人のほうが多数派。だけど、多数派の人が少数派の人のことを、「自分たちと違うから」という理由でいじめるなんてことは、あってはならないよね。
君も、状況によっては多数派になることがあると思う。たとえば、君を含めたクラスの大半が解ける問題を、一人か二人、解けなかったときとか。あるいは、クラスのみんなで多数決を取るとき、多数派に回ったときとか。少数派の人がどんな気持ちで多数派の人に意見を言っているか、より近い気持ちで想像することができるようになるんじゃないかな?
人はみんな、趣味や服装、国籍、考え方など、それぞれ違うところがある。お互いの違うところを受け入れて、理解できる人になれたら素敵だよね。自分が少数派であることの経験をいかして、よしおと一緒に、そんな素敵な人を目指してみない?
よしおの「芸人」っていう仕事も、社会で働いている人の中では少数派だし、芸人の中でも裸で体を使った芸風をしている人は少ないからさらに少数派。そう考えると、よしおって少数派として、独特なポジションにいるなあ、って思うよ。ひょっとしたら、子どものころから左利きでサバイバルしてきた賜物(たまもの)なのかも!
左利きが有利にはたらくこともある
それに、状況によっては左利きが有利にはたらく場合もあるんじゃないかな? よしおの場合は、「左利きはよしおの個性のひとつ」って考えることにしているよ。
実はよしおは、子どものころ野球をやっていたから、左利きでラッキーなこともあったんだ。野球の世界では、左利きの投手は「サウスポー」といって、有利にはたらくことがある。たとえば左利きの投手は、右利きの投手とは全然違う角度からボールを投げることができる。多くのバッターは、左利きの投手のボールの軌道に慣れていなくて打ちにくいんだ。あと、バッターになったときには1塁に近くなるからね! 内野安打になりやすいんだ。
世の中には、「左利きには天才が多い」なんていう説もあるらしい。ただ、よしおは必ずしもそうではないと思う。なぜなら、よしお自身が天才じゃないから(笑)。
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