左利きの人の気持ちって、実際に自分もなってみないとわからないんだよね。よしおの親は二人とも右利きだったから、よしおが困っているのを見て、どうしたらよしおのためになるかなって、いろいろ考えたり迷ったりしながら対応してくれていたんだろうな。

能力を広げるチャンスになった!

 そのおかげで、今では右でも左でも字が書けるようになったんだ。たとえ右手を骨折しても、左手でも書ける(笑)! 左利きだったからこそ、能力を広げられたと思うんだ。

 そんなふうに、左利きの人には自分で試行錯誤するチャンスが山のように転がっているって考えることもできるんじゃないかな? 生まれながらのことだから、「どうして自分だけ⁉」って思うことは多いかもしれないけど、左利きはチャンス!って考えてみることもできると思うんだ。

「自分の力でどうにか乗り越えてやろう!」って考え方に変えて、自分で工夫してその状況を克服する力をつけておいたら、この先、ほかのことでつらさを感じたときにも応用できるかもしれないしね!

 そうそう、君が言っていた「左利き用の専門店」が本当にないのか探してみたよ。そうしたらおしゃれな専門店を発見! よしおも君のまねをして左利き用のハサミを買ってみたよ。左利き用と右利き用では、ハサミの刃の向きが違うんだね。よしおの子どものころは、こんなに便利なものがあるなんて知らなくて、右利き用のハサミを使っていたよ。便利なものを教えてくれてありがとう!

小島よしおさんが購入した左利き用のハサミ(右側)
小島よしおさんが購入した左利き用のハサミ(右側)

 ほかにも、左利き用のメモ帳や定規、お財布など、いろいろな商品がそろっていたよ。こんなにたくさんの商品が開発されているってことは、君と同じように困った人が、どうにかできないかと工夫してきた結果なんだろうね。

誰もが何かの“少数派”

 それから、よしおが君に伝えたいのは、どんな理由であってもいじめはダメってこと。左利きであることは、決していじめられたり責められたりすることではない。だから安心してほしいし、左利きである自分に自信をなくさないでほしいな。

次のページへ左利きが有利にはたらくことも
1 2 3 4