「中学受験を楽しむ」と「勉強を楽しむ」は違う
安浪:私も指導先のお子さんに下のきょうだいがいると、この親御さんと同じような相談をよく受けます。数字好きの男子って多いですしね。確かに、幼児や低学年向けの算数教室もあるので、そこを紹介することもありますが、そこにハマる子もいれば、そこで嫌いになってしまう子もいる。結局「相性」なんですよ。
矢萩:だから、「中学受験を楽しむ」のと「勉強を楽しむ」のは違うんですよね。もっと言えば「中高生活を楽しむ」には、どういう環境が合うかを見極めないといけない。1年生〜3年生の数年間は、そうした“見極め期間”として、「この子は何に夢中になれるか」を丁寧に観察してあげてほしい。

安浪:何度も言いますが、年長〜低学年の「算数が得意」「漢字に興味津々」っていうのは、4年から始まる受験コンテンツとはちょっと別物とわかっておいていただきたいです。たとえ数字が好きでも、算数や数学が得意でも、受験算数にハマらない子もたくさんいます。
矢萩:ちゃんと読み書きができているのであれば、3年生から塾に入ることは可能です。だからそんなに心配しなくても大丈夫です。最初はクラスが上かどうかも関係ないです。
安浪:「何が何でもこの中学!」と決めていてアスリート型の受験するならば話は別ですが、「中学受験を楽しめたらいいな」と書いていらっしゃるので、いわゆる中学受験の勉強は王道の3~4年生スタートでいいと思います。ただ、そこに乗っていけるような素地づくり、つまり読み書き計算、学習習慣などはご家庭で育んでおいてくださいね。
(構成/教育エディター・江口祐子)
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