好きな色はピンクとパープル。スイーツプロデューサーを務める原宿の「ベビタピ トーキョー」も、YouTubeでカラフルなお菓子を食べるASMR動画も大バズり。小中高生に大人気の原宿系のプリンセス・しなこさんのインタビューを、小中学生向けのニュース誌「ジュニアエラ2025年7月号」(朝日新聞出版)から紹介します。

「しなこワールド」は私の自己紹介のような曲

――どんな小学生でしたか?

 小・中学生のときは、自分が本当に嫌いでした。みんなと「同じじゃなくちゃいけない」という雰囲気になじめないのに、変わっている人と思われたくない気持ちも強くて。そんな自分を肯定できず、「今、私は何を着たら正解?」「この話題だったら友達と話が合う?」「先生の理想どおりになれている?」と何かを言ったり行動したりする前に、その場に合っているのか、正解探しばかりしていました。でもそれが見つからないことも多くて、苦しかったです。

――「正解探し」は、その後どうなりましたか?

 高校は、自宅から1時間半ほどかかるところを選びました。とにかく私のことを知っている人が誰もいないところで、違う自分になりたいと思ったんです。原宿の近くにある高校に進学し、ある日友達にタピオカを飲みに行こうと誘われました。初めての原宿、そして竹下通りで、私の心の中に革命がおきました! そこにいるみんなは、好きな服を着て、好きなものを食べて、自分の好きに正直に生きている。その光景がまぶしかったし、ああ、正解って探すものでもないし、あるものでもないんだ。それは自分で自由に見つけたり、作り出していくものだったんだと気づき、衝撃を受けました。その瞬間、私の心はすごく軽くなり、ワクワクしたことは今も忘れられません。

しなこさん
しなこさん

――“原宿”がしなこさんの「今」を発見させてくれる場所となったんですね。

 そうです。「私って間違っているのかな」と感じていた中学生までの気持ちは、べつに間違いじゃなかったんだって。そう思えるようになったことで、自分だけではなく、相手に対しても、正解を求めたりこれが正しいと押し付けたりすることがなくなったと思います。さらに自分の中の当たり前を押し付けることは、お互いが傷つけ合う原因になるもので、どんな価値観もいったん受け入れることが、すごく大事なことだと考えられるようになりました。 

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ジュニアエラ編集部
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