リズム&アドベンチャーゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.  初音ミク」(プロセカ)でおなじみのユニット「25時、ナイトコードで。」のメンバーで宵崎奏役、「チェンソーマン」のマキマ役などを演じる人気声優・シンガーソングライターの楠木ともりさん。習い事が忙しかった子ども時代や、声優になったきっかけなどについて聞きました。小中学生向けのニュース誌「ジュニアエラ2025年2月号」(朝日新聞出版)からお届けします。

MENU “自分発信”の好きなものがないことに気づいた 「プロセカ」アニメ映画ではメンバーとの距離が縮まった

“自分発信”の好きなものがないことに気づいた

――楠木さんはどんな子どもでしたか?

 とにかく正義感と責任感が強い子でした。親には隠し事は絶対しないこと、と言われていたので、学校で悪いことをしてしまったときなどは、夜寝る前に泣きながら話した記憶があります。習い事にもたくさん通っていました。ピアノと英語、ペン字、習字。あと造形教室。これは学年が上がると油絵になりました。

 それらに加えて塾です。中学生までは習い事で本当に忙しかったです。成績については、学校の通知表では二重丸がたくさんついているほうでしたが、それを褒めてもらうよりは、なんでこっちは二重丸じゃなかったのと言われたりしましたね。自分は何かと完璧主義な部分があるのは、厳しかった両親の影響かなと思います。

――声優になりたいと思ったのはいつごろですか?

 中学2年生ごろだったと思います。五つ上の姉がいるんですが、姉が生徒会長をやれば私も生徒会長に、吹奏楽部に入れば私も……というように同じ道を歩んでいました。そうしたらあるとき親戚から、「お姉ちゃんの影響をすごく受けてるね」と言われたんです。確かに自分発信の好きなものがないと思いました。

 そんなとき出合ったのがアニメです。アニメは家族の誰も知らない世界で、そこに飛び込んでいく楽しさに夢中になっていきました。そこから声優という仕事にたどり着いて、演じることに憧れるようになりました。いろいろな習い事をしていましたが、演技には触れてこなかったので新鮮でしたし、違う人の人生を生きられるところにも魅力を感じました。

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ジュニアエラ編集部
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