おすすめポイント
小学2年生と4年生。たったの2歳差ですが、去年まで1年生だった妹と、高学年のおねえちゃんとでは、できることに歴然とした差があります。だからこそつくしちゃんは、優等生でがんばり屋のおねえちゃんが大好きで憧れているのですが、おねえちゃんだってまだ小学生。つくしちゃんが思うほど完璧ではなく、怒ったり泣いたり、悔しがったり、いろんな思いを抱えています。

物語はつくしちゃんの「あたし」という一人称で進みながら、おねえちゃんのいつもとは違う一面を妹からの視点で浮き彫りにしていきます。ドッジボールで悔しい思いをしたあと、庭で一生懸命練習していたこと。せっかく作ったかわいいフェルトのマスコットを友達にプレゼントできず、泣いていたこと。完璧に見えたおねえちゃんの弱い部分を知ることで、つくしちゃんも成長していきます。
主な登場人物はつくしちゃんとおねえちゃん、お母さんのみ。笑ったり、泣いたり、怒ったり、助け合ったり……姉妹のありふれた日常と心の機微が、読みやすい文章で鮮やかにつづられています。全ページに入った丹地陽子さんのやさしくあたたかなタッチの挿絵も魅力的。つくしちゃんとおねえちゃん、それぞれの表情をじっくり見ながら読むと、物語をより深く味わえますよ。
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